各科・部門の紹介

呼吸器科

診療方針

当科は呼吸器感染症、肺癌、肺気腫、気管支喘息、間質性肺疾患、睡眠時無呼吸症候群など 多彩な呼吸器疾患の診療を担当しています。
いずれの疾患についても、各医師が専門領域を持ちながら、 医学の進歩に応じた先進的医療を実現するために努力をしています。
また総合病院である特徴を生かし、院内他科と密接に連携し診療を行い、 他職種(看護、薬剤、リハビリ、放射線、MEなど)と協力しチーム医療を実践することが良質な医療を提供することにつながると 考えています。
しかしながら高齢化社会を迎え、複合的な疾患を持つ患者さんも多いことから、専門に片寄った診療に終始することにならないように 心掛けており、地域のニーズに基づき、患者さんの立場に立った全人的包括的医療 を提供したいと考えています。

診療体制

当院の呼吸器内科は、吉村、神、山崎、小林、岡安の5人の常勤スタッフおよびその他の5人の医員から 構成され、チーム医療を行っています。

外来診療に関しては、 午前枠は3診を設け、内2診を新患担当とすることにより、待ち時間の短縮を図っています。 午後枠は再来および特殊専門外来(禁煙、睡眠時無呼吸、在宅酸素療法)となっています。 また胸部X線写真で異常認めた場合、初診日にヘリカルCTを撮影し、その後画像カンファレンスを開き全員で所見を検討し、 方針を決定しています。 さらに肺癌の外来化学療法も積極的に行っており、患者さんの生活の質(QOL)を重視するとともに、 最新の国内外のガイドラインや論文報告を参考にしてエビデンスに基づいた薬剤を選択しています。

入院診療に関しては、 A棟7階、8階病棟が呼吸器科となっており、霊峰富士山を望みつつ呼吸器疾患全般を診療しています。 肺炎などの肺感染症、肺癌、喘息発作、間質性肺炎、ARDS(急性呼吸促迫症候群)などの急性呼吸不全、COPD、 慢性呼吸不全の急性増悪、睡眠時無呼吸症候群などを中心に治療にあたっています。 さらに、症例検討会、カンファランスを週1回、開催し、すべての患者さんに一定レベルの診療を提供できる体制を整えています。 肺癌に関しては、呼吸器外科、内科、放射線科の各専門医がデイスカッション顕微鏡のもとに一同に集まり、 1つの症例に対する治療法を包括的に議論する場(キャンサーボード)を設けています。

 日本呼吸器学会認定施設 日本呼吸器内視鏡学会認定施設

特徴

診療実績
平成22年度の実績
  • 外来患者延べ数   :24151名(月平均2013名)
  • 外来化学療法患者数:年間320名
  • 紹介患者数     :月平均86名 (総計1037名)
  • 逆紹介患者数    :月平均46名 (総計560名)
  • 入院患者数     :年間1409名
  • 平均在院日数    :20.8日
  • 気管支鏡件数    :年間180件
  • 在宅酸素療法患者数:
疾患別入院症例数
  • 肺炎などの呼吸器感染症 411例、肺真菌症 12例、抗酸菌感染症 3例
  • 間質性肺炎 54例、肺癌 431例、悪性胸膜中皮腫 9例、縦隔腫瘍 3例
  • 肺気腫 70例、気管支喘息 52例、気胸35例、
  • 睡眠時無呼吸症候群22例 その他 172例

診療内容

 1. 肺炎などの呼吸器感染症

呼吸器感染症は、培養検査、血清学的検査、遺伝子検査を駆使して起炎菌の検索を行い、適切な治療薬の選択を心掛けています。 高齢者の肺炎は入院となることが多く、若年者は外来点滴で加療することが多くなります。


 2. 肺癌

日本全体では年間6万3千人以上の方が肺がんで亡くなられており、死亡者数が最も多い癌であり今後も増加していくと 予想されています。
肺がんの原因はまだ解明されていませんが、発症率と死亡率は20年前の喫煙率との関連が強く示唆されています。
難治性の肺癌ですが、近年治療上の進歩がみられ新しい抗がん剤治療が多く開発されております。 肺がんの発生や進展に強く関わる遺伝子異常のEGFR遺伝子変異をもつ肺癌に対するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬の有用性は 証明されており、EML4-ALK融合遺伝子をもつ肺癌に対して現在開発治験中のALK阻害薬も有用性が期待されております。
また従来の肺癌に対する治療は小細胞肺がん、非小細胞肺癌に大別されそれぞれの病期別に治療方法を選択してきましたが、 最近の臨床研究の成果で、さらに非小細胞肺がんでは組織型により抗がん剤の有効率が異なる事がわかってきました。
これらの情報を患者様の治療に反映させるためには、病理組織検査と病期を診断するための全身の検査を行う事が必要です。

当院での新規肺癌症例数(07年度)は、144例で、肺癌化学療法はエビデンスに基づいた多剤併用療法を行い、 QOL(生活の質)を考慮し、外来での化学療法を積極的に行っています。 またEGFR遺伝子解析を行い、分子標的薬剤の効果予測を行っています。
さらに新しい抗がん剤の組み合わせによる治療効果の判定のための臨床試験を行っておりますので、 自分の病状と治療法の選択については主治医とご相談ください。
10年前と比べ肺がんの治療を受けている方の生存期間は伸びており、70歳以上でも化学療法群の1年生存率は60%を超える成績です。
肺がんの治療は化学療法、放射線治療、外科治療、 緩和医療 を患者様の状態に応じて組み合わせて、個別の治療計画を立てていきます。 手術適応は当院の呼吸器外科医とカンファレンスで検討し、放射線療法は最新の放射線3次元治療計画装置を用いており 放射線科医と連携して行っています。

特に緩和医療は症状が見られる方に治療初期から行う事が必要です。
肺がん以外にも縦隔腫瘍悪性胸膜中皮腫 などの胸部の腫瘍の診断、内科的治療も呼吸器内科で行っております。

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 3. 気管支喘息

気管支喘息は、吸入ステロイドを中心とした治療を行っており、近年では入院を要する発作を起こす患者が減少しています。
外来通院患者数は各種疾患の中で一番多く、希望者にはピークフローメーターを渡して喘息の自己管理をしていただいています。
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 4. COPD(慢性閉塞性肺疾患)

 COPD(シー・オー・ピー・ディー)とは
「Chronic(慢性) Obstructive(閉塞性) Pulmonary(肺の) Disease(疾患)」の頭文字をとったもので、 肺気腫、慢性気管支炎など肺胞や気管支の慢性炎症により気流が閉塞される疾患の総称です。 そのほとんどがタバコの煙を吸い込むことによって起きます。 喫煙者はもちろん、非喫煙者も受動喫煙によって、間接的にたばこの煙を吸い込むことでCOPDになります。

 COPDの患者は年々増加して日本では年間530万人以上に上るといわれ、死亡率も増加傾向にあり、 現在死亡率の第10位、2020年には第3位になると予測されています。

 症状は早期には無症状ですが、病気が進行すると風邪でもないのに咳や痰がつづき、 呼吸するときにゼーゼー、ヒューヒューしたり、階段、坂道では息苦しさが出てきます。 さらに進行すると安静時でも呼吸困難を感じるようになり、食欲不振、痩せ、活動性低下など 日常生活に支障をきたすことになります。

 COPDは早期診断、早期治療が原則です。 診断のための検査は喫煙歴を含めた問診、胸部レントゲン、胸部CT、肺機能検査、動脈血のなかの酸素、二酸化炭素測定などです。
 CTでは肺胞が拡大して融合し、嚢胞状になり、いわゆる気腫(空気の塊り)の像として見られます。 肺機能検査では気道の閉塞を示す1秒率(1秒間にどのくらい空気を吐けるか)が低下します。 肺での換気ができないため、動脈血では酸素は低下し、二酸化炭素が上昇します。

 診断がついた場合は、喫煙者はまず禁煙です。 受動喫煙のこともありますので、まわりにタバコを吸っている人がいれば、禁煙してもらうことです。
 治療薬はβ-2刺激剤(気管支を拡げる作用があります)、抗コリン剤(気管支の収縮を抑制し、痰の分泌を抑える)、 テオフィリン剤(気管支を拡げる作用や呼吸筋力の増強作用)、去痰剤(痰を柔らかくして切れやすくする)、 ステロイド剤(気管支の炎症を抑え、気管支のむくみを取り、痰の分泌を抑える)、抗生剤(細菌感染を抑制します)などがあり、 症状に合わせて使用します。

 COPDで破壊された肺は元に戻らないため、呼吸リハビリを行ったりして進行をくいとめます。 進行して呼吸不全になった場合は、在宅酸素療法を行います。当院では現在146人に施行しており、 在宅看護ステーションと連携して、患者さんのQOL向上に寄与しています。
 在宅酸素療法は患者別にはCOPD62%、結核後遺症23%、肺線維症5%、肺癌5%、先天性心疾患1%です。 高炭酸ガス血症を伴う症例ではNIPPV(非侵襲的人工呼吸)も行っています。


 5. 禁煙外来

喫煙は肺気腫、肺癌など呼吸器疾患のリスクを高めるだけでなく、脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化などの血管病変の誘因になります。 さらにメタボリックシンドローム、歯周病、などとの関連もあります。 さらに受動喫煙でタバコを吸わない方にも影響します。努力しても禁煙できないかたはニコチン依存症という病気です。 病院での治療をお勧めします。
 当科では、自力で禁煙できない方のため禁煙外来を設けております。 バレニクリン(内服薬)、ニコチンパッチ(貼付薬)での治療を(8週間~12週)行っております。 保険での診療(一部除外)もできます。

 当院の禁煙外来での成績(2010年7月1日~2011年6月30日)
受診者 87名 成功者 68名 脱落者 19名 成功率 78.2%

 診察日:毎週火曜日15時~17時
予約制ですので当院呼吸器内科外来(内線238)にお問い合わせください。


 6. 間質性肺炎

間質性肺疾患は、(特発性間質性肺炎、膠原病肺、サルコイドージス、好酸球性肺炎、過敏性肺炎、薬剤性肺炎など)は、 積極的に気管支肺胞洗浄、経気管支肺生検またはビデオ下胸腔鏡手術を行って肺病変を的確に評価し、病態を的確に評価し、 病態を把握することで副腎皮質ホルモン剤などの適応を検討しています。


 7. 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、重症例に対して nasal CPAP(経鼻陽圧呼吸)療法を導入しています。
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 8.気胸

気胸は、原則的に初発患者では内科的に胸腔ドレナージ術、再発患者にはビデオ下胸腔鏡下手術を施行しています。


スタッフ

医師 資格
吉村 信行
よしむら のぶゆき
部長 1959年生まれ。旭川医科大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、
日本呼吸器学会専門医・指導医・代議員、
日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医、
東京医科歯科大学医学部臨床教授、
平塚・茅ケ崎・秦野保健福祉事務所
感染症検査協議会委員長
神 靖人
じん やすと
部長 1961年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒。
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、
日本呼吸器学会専門医・指導医、
日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医、
がん治療認定医・暫定教育医、
日本医師会認定産業医、
東京医科歯科大学医学部臨床教授、
医学博士
山崎 啓一
やまざき けいいち
部長 医療連携センター長、
禁煙外来担当
小林 亜紀子
こばやし あきこ
医長 日本緩和医療学会指導医の基本教育のための
都道府県指導者研修修了、
日本緩和医療学会主催ファシリテーター
養成講習会修了、
日本呼吸器内視鏡学会専門医、
日本内科学会認定医、
緩和チーム副委員長
倉田 季代子
くらた きよこ
日本内科学会認定内科医、
日本呼吸器学会呼吸器専門医、
癌治療認定医
井上 幸久
いのうえ ゆきひさ
日本内科学会認定内科医
島田 裕之
しまだ ひろゆき
日本内科学会認定内科医
岡安 香
おかやす かおり
日本内科学会認定医、
日本呼吸器学会呼吸器専門医、
日本アルギー学会アレルギー専門医、
医学博士
川上 直樹
かわかみ なおき
 
貫井 義久
ぬくい よしひさ
 

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総務課 TEL:0463-32-1950